パフォーマンスマネジメントは、目標設定と達成を上司と部下が積極的に話し合い、仕事のモチベーションアップに繋げる人事評価方法です。
近年このパフォーマンスマネジメントが、従業員同士のコミュニケーションをとくに重視する新しい人事評価として注目を集めています。
今回の記事では、近年注目を集めているパフォーマンスマネジメントの特徴を解説。
また、仕組みを理解するのに役立つ5つの本も紹介します。
パフォーマンスマネジメントを理解して、会社の人事評価に導入することを検討している方は、参考にしてみてください。
そもそもパフォーマンスマネジメントとは?
パフォーマンスマネジメントとは、従業員のパフォーマンスを評価することで、業務に対するモチベーションを維持・促進する人事評価制度です。
社内における効率的な目標達成を目指せるのが魅力的です。
また、上司と部下との間の継続的な面談や目標設定に向けた話し合いによって、従業員間の関係性が改善する効果も期待できます。
さらには、従業員同士がコミュニケーションを頻繁に取ることで、さらなる業務効率の改善も見込めるでしょう。
このように、パフォーマンスマネジメントは、従業員のパフォーマンスを評価することによって、従業員のやる気を促進する方法です。
そのため、目標達成に対する意識を明確に持ちやすいという特徴があります。
パフォーマンスマネジメントの基本となる3つの要素
パフォーマンスマネジメントの基本となる要素は3つあります。
パフォーマンスマネジメントを実際に日々の目標管理や人事評価に取り入れようと考えている方は、参考にしてみてください。
パフォーマンスマネジメントの要素①:部下との対話を大切にする
パフォーマンスマネジメントは、上司が部下の仕事に対して積極的にフィードバックを与えていくことが特徴です。
そのため、上司の側から部下の仕事に対する悩みや不安、目標設定に関して、親身になって聞いてあげる必要があります。
また、目標設定の際は、部下からの意見を優先して聞いてあげることも重要です。あくまでも、部下のパフォーマンスをアップさせるという意識でパフォーマンスマネジメントを行っていきましょう。
パフォーマンスマネジメントの要素②:リアルタイムフィードバックの導入
リアルタイムフィードバックとは、従業員がこなした仕事ごとにフィードバックをしていく目標管理の方法です。
短期的な業務評価が魅力のパフォーマンスマネジメントと組み合わせて行うことで、さらにパフォーマンスに対する評価が綿密に行えるようになります。
パフォーマンスマネジメントの要素③:人事評価制度OKRを取り入れる
人事評価制度OKRとは、会社やチーム、個人のレベルで個別の目標設定をして、目標設定に向けたパフォーマンスを評価していく方法です。
一人ひとりの従業員が目標を持ち、その達成に向けて行動できるので、目標に対するモチベーション維持が期待できます。
また、定期的なパフォーマンス評価も行われ、従業員同士の交流が活発になるという点で、パフォーマンスマネジメントとの親和性も高いです。
パフォーマンスマネジメントの理解におすすめの本5選
パフォーマンスマネジメントの仕組みを簡単に理解できる本は何冊もありますが、この章では特におすすめできる本を5冊紹介します。
パフォーマンスマネジメントを会社のマネジメントの仕組みに導入する予定の方は、以下に紹介する本を読んで、「どのようにパフォーマンスマネジメントを日々の業務に活かしていけばいいのか」を考えてみてはいかがでしょうか。
パフォーマンスマネジメントの本①|シリコンバレー式最強の育て方 −人材マネジメントの新しい常識1on1ミーティング−
<本体価格>
1,540円
<著者>
世古 詞一
<発売日>
2017年
<本体購入URL>
www.amazon.co.jp/dp/4761272864
1on1ミーティングは、上司が部下の仕事に対する姿勢や目標設定をしていく上で重要なプロセスです。
また、部下の日常生活の悩みや不安などを親身になって聞いて、相談に乗ってあげることで、業務に対する部下の意欲を改善していく狙いもあります。
このような新しい人事評価の取り組みは、GoogleやYahooなどの大企業でも導入され、世間からの注目を浴びているようです。
本書は世間で話題の1on1ミーティングを実際の事例からわかりやすく紹介する本で、「どのように自社のマネジメントに取り入れればいいのか?」といった悩みを解決する内容になっています。
パフォーマンスマネジメントの本②|OKRシリコンバレー式で大胆な目標を達成する本
<本体価格>
1,650円
<著者>
クリスティーナ・ウォドキー
<発売日>
2018年
<本体購入URL>
https://www.amazon.co.jp/dp/B07B2R1ZDL
「OKRを取り入れれば会社がたった3ヶ月で劇的に変わる」というフレーズで有名な本書は、OKRの理論的な部分と実践編の導入例・失敗例が体系的に学べます。
本書を読めば、部下をやる気にさせるOKRの本質を知ることができるでしょう。
OKRを理論から学んで、自社のマネジメントにOKRの手法を取り入れたい方は必見の本だといえるでしょう。
パフォーマンスマネジメントの本③|フィードバック入門耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術
<本体価格>
957円
<著者>
中原 淳
<発売日>
2017年
<本体購入URL>
www.amazon.co.jp/dp/B06VVQ8V36
部下との関係性や会話の内容に悩む上司の方も多いのではないでしょうか?そんな方におすすめなのが本書です。
本書では部下のパフォーマンスに対するフィードバックが、いかに部下の生産性に影響するのかを、わかりやすく事例を交えながら解説しています。
部下との1on1ミーティングでの仕事に対するフィードバックの質を上げ、会社全体の生産性の向上を目指しましょう。
パフォーマンスマネジメントの本④|ティール組織−マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
<本体価格>
2,750円
<著者>
フレデリック・ラルー
<発売日>
2018年
<本体購入URL>
https://www.amazon.co.jp/dp/B078YJV9ZW
世界12カ国で翻訳され大好評の本書は、常識を覆す組織論として世界中で読まれている本で、次世代の組織マネジメントをわかりやすく解説しています。
最強の組織マネジメントとは「チームを信じ、会社組織を信じることにある」と説く本書は、会社と従業員の関係性を見直す機会を与えてくれるでしょう。
会社でのマネジメントに悩んでいる方なら、一度は読んで欲しい本です。
パフォーマンスマネジメントの本⑤|パフォーマンスマネジメント−問題解決のための行動分析学
<本体価格>
1870円
<著者>
島宗 理
<発売日>
2000年
<本体購入URL>
https://www.amazon.co.jp/dp/494655307X
日本で販売されているパフォーマンスマネジメントに関する本の中で、高評価を獲得している本の筆頭が本書です。
行動分析学を基本としたわかりやすい解説で、仕事だけでなく、恋愛やスポーツ論についても論じています。
対話形式の終始読みやすい構成で書かれている本書は、人間関係に悩む上司の方におすすめできる本だといえます。
パフォーマンスマネジメントを導入した3つの企業の事例
最後に、パフォーマンスマネジメントを実際に導入した3つの企業の事例を紹介。
パフォーマンスマネジメントを自社で実践したいと考えている方は、他社の導入事例に関しても、ぜひ参考にしてみてください。
パフィーマンスマネジメント導入の事例①:スターバックス コーヒージャパン株式会社
スターバックスコーヒージャパン株式会社は、会社で働く全ての従業員をパートナーと呼ぶほど、従業員と共に会社を発展させていこうとする意識が強い企業です。
全ての従業員に対して、4ヶ月に1度の1on1ミーティングを行い、目標達成や今後の業務に対しての取り組み方について確認していきます。
スターバックスは、このような従業員と会社が一丸となった経営体制で、パフォーマンスマネジメントの手法を効果的に取り入れ、成功をおさめている事例です。
パフィーマンスマネジメント導入の事例②:アドビ株式会社
アドビ株式会社は、2012年度からは従来の人事評価制度から「チェックイン制度」を導入しました。
この制度は3ヶ月に1度のミーティングを通して、社員のアイディアや目標設定を上司が一緒に確認することで、離職率を下げることに成功しました。
リアルタイムフィードバックと1on1ミーティングを効果的に企業の業務に取り入れ、成功した例だといえます。
パフィーマンスマネジメント導入の事例③:ゼネラル・エレクトリック株式会社
ゼネラル・エレクトリック株式会社は、目標管理制度を廃止し、パフォーマンス評価に重点を置く人事評価制度を導入しました。
この人事評価制度は「これまでのパフォーマンス」よりも、「これからのパフォーマンス」を改善していくための方法を考えていくのが特徴です。
1on1ミーティングで部下の悩みや不安を解消し、仕事に集中できる環境づくりが可能になった点で、パフォーマンスマネジメントに成功した例として挙げられることが多いです。
まとめ
この記事では、パフォーマンスマネジメントの仕組みを学ぶ上でおすすめの本を5冊紹介。
また、パフォーマンスマネジメントの導入で成果を出している企業事例を3つ、パフォーマンスマネジメントの具体的な特徴についても解説しました。
パフォーマンスマネジメントを体系的に学ぶためには、本を読み、成功事例からヒントを得るのが一番の近道です。
パフォーマンスマネジメントの導入事例を確認して、自社に適したパフォーマンスマネジメントの仕組み作りを考えてみましょう。
OKRの理解を深めたい方はこちら
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