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パフォーマンスマネジメントのサンプル事例をご紹介|導入方法や効果を高める工夫とは?

2022-08-04
By
Kengo Mori
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パフォーマンスマネジメントとは、従業員を評価・マネジメントする手法の一つであり、近年導入を検討する企業が増加しています。

しかしそんな中、実際に導入をする際にどのように設計すれば良いのか・効果があるのか・参考にできるものはないのかなど、悩んでいる方も多いでしょう。

そこで今回はパフォーマンスマネジメントについて、サンプルになる企業のご紹介を含めながら、基本から導入の流れまでを徹底的に解説していきます。

パフォーマンスマネジメントのサンプルとともに、効果を高める工夫についてもご紹介しますので、最後まで読んでいただきぜひ従業員のマネジメントにご活用ください。

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パフォーマンスマネジメントとは?

パフォーマンスマネジメントは、従業員を評価・マネジメントする手法です。

パフォーマンスマネジメントでは、従業員のパフォーマンス向上のために、それぞれの能力やスキル、モチベーションを引き出します。
それと同時に上司が効果的なフィードバックをして目標達成を目指すマネジメント手法でもあります。

従来のMBOとの違いは、1ヶ月ごとに決めた目標に対して、常に上司や同僚がマンツーマンで即時なフィードバックを行うことにあります。
そのおかげで現状の評価の確認と従業員の目標達成へのサポートがよりスムーズにできるのです。

このスピード感が、パフォーマンスマネジメントの特徴の一つになります。

パフォーマンスマネジメントが注目されている理由・背景

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効果的な業績管理は、個人や組織にさまざまなメリットがあります。
そのため近年、パフォーマンスマネジメントが注目されるようになりました。

パフォーマンスマネジメントには3つのメリットがあります。
ここからは、この3つのメリットについて解説していきます。

パフォーマンスマネジメントのメリット①|社員が離職しない

効果的な業績管理をすると、従業員が離職しなくなります。
従業員が会社を辞める理由の一つは、会社にいても自身の成長に繋がらないという不満だと言われています。

しかしパフォーマンスマネジメントを行えば、その不満は解消できるでしょう。
適切なフィードバックと能力開発、スキルや専門的な能力を身につけることなど、さまざまな面で従業員の成長をサポートする効果があります。

この効果で従業員の離職を防ぐことが期待できます。

パフォーマンスマネジメントのメリット②|仕事の方向性が明確になる

「会社の達成目標はなんなのか」という明確な方向性がないと、従業員は最高のパフォーマンスができません。
パフォーマンスマネジメントの進め方は、次のようなステップで行います。

1. 具体的な目標を設定する
2. 目標達成のためにどう動いたらいいか考える
3. 目標達成までにサポートやフィードバック、褒めることをする

設定した目標に対して、仕事の進み具合をフィードバックすることで、従業員は何を努力するかが明確になります。

仕事が明確化することで、より集中して取り組むことができるでしょう。

パフォーマンスマネジメントのメリット③|最大のパフォーマンスができる

適切なパフォーマンスマネジメントをすることで、従業員は自分の能力や企画力を最大限に発揮できます。

従業員の業績管理は、会社の業績をあげることに繋がるのでとても重要です。
近年はパフォーマンスマネジメントを専門としたツールも多く出回っています。

忙しい管理職でもツールを使ってマネジメントが可能になりました。
この点も注目されている理由の一つでしょう。

設定した目標に対して従業員を評価・マネジメントするという意味ではMBOも近いものがあります。
しかし、この2つには大きな違いがあるのです。

パフォーマンスマネジメントとMBOの違いは、スピード感と目的意識です。
MBOでは年に一度の評価のみで、評価する頃には既に忘れられた過去の目標になっています。
そのため、従業員が評価を受ける頃には、その目標は従業員の昔の自分の目標になってしまっているのです。

一方で、パフォーマンスマネジメントを導入すれば、短期間のサイクルで目標と結果を確認できるため従業員も会社も方針がズレにくくなります。

パフォーマンスマネジメントの課題と今後の展開

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年次評価や段階づけの廃止や、従業員の相対評価の廃止をすれば、パフォーマンスマネジメントが実現できるわけではありません。

制度はあくまでも手段です。
自分の会社の経営目標や戦略はどういうものなのか、その実現に向けて「目指す姿」をしっかりとイメージしましょう。
それから目指すイメージにあった制度を考えて導入することが重要です。

今後は、多くの起業家がパフォーマンスマネジメントを導入していくことでしょう。
その根拠には、企業を取り巻く環境変化があります。

激しい変化の中で、新しい価値観を作るには常に学ぶ姿勢を持ち、毎日の仕事を通じて成長できるマインドセットを全従業員が持つ必要があります。

先行きが不透明な現代は、自ら目標を掲げ失敗を恐れずにチャレンジしていくことが求められます。
それと同時に、失敗から多くのことを学ぶ姿勢も忘れてはいけません。

毎日の仕事で工夫を重ね、新しい価値を生み出す「グロース・マインドセット」がこれからの時代は必須になっていくでしょう。

パフォーマンスマネジメントを実践する4つの方法・制度

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パフォーマンスマネジメントは抽象的な考えです。
活用するためのポイントや、具体的な方法はわからないという人も多いでしょう。
そこで、ここではパフォーマンスマネジメントを導入する4つの方法と制度について説明していきます。具体的には、以下の内容です。

パフォーマンスマネジメントの導入方法①|目標管理

まずは目標管理から説明していきましょう。
パフォーマンスマネジメントを実践するには目標管理は不可欠です。

そして目標を評価するまでの期間は、長期的なものではいけません。
長くても四半期、短期では1ヶ月程度の間隔で定期的に目標の設定をさせ、それに向けて一緒に取り組むようにします。

短期間で定期的に目標管理をし、その過程で上司が適切なアドバイスを行います。
これを繰り返すことで、個々に寄り添った具体的で達成できる目標を設定させることができるようになります。

パフォーマンスマネジメントの導入方法②|1on1

1on1のミーティングは、取り入れやすい制度なのでおすすめです。

1on1ミーティングは、上司と部下がお互いにマンツーマンで話すことができる機会が取れるというメリットがあります。

上司は面談のために部下について下調べをする必要があります。
部下は面談に向けて上司に確認したいことや仕事の悩みなどを準備するのです。

このプロセスを定期的に繰り返すことで、お互いへの理解が深まり、チームの結束力が向上するでしょう。

近年はこの面談を取り入れる会社も増え、専用ツールも増えています。

ただ面談をするだけでなく、そのデータを蓄積して分析することで従業員の成長記録やフィードバックの材料にもなります。

パフォーマンスマネジメントの導入方法③|フィードバック

フィードバックは、業績や仕事の成果を踏まえて行うアドバイスです。

普通にフィードバックを行うのでは意味がありません。
「どうすれば目標達成できるかを一緒に考える」ということを意識してフィードバックするのが重要です。

また、仕事の過程で必ずフィードバックを行うことで、新鮮な感想を共有できます。
そして従業員自身が常に「何が原因で失敗したのか」「何が功を奏したのか」を考える力をつけることができます。

パフォーマンスマネジメントの導入方法④|表彰制度

フィードバックだけではなく、些細なことも褒め合いましょう。
この褒め合う制度は正にパフォーマンスマネジメントの根幹とも言えます。

表彰制度というように形式ばった制度出なくても構いません。
社内のチャットやメールで「ありがとう」や応援のメッセージを送ることでもいいのです。

従業員への賞賛が定着している文化をレコグニション文化とも呼んでいます。

大きな功績ではなくても、小さい努力を評価してくれる人がいることは従業員のやる気に繋がります。
チームの結束力や、会社のエンゲージメント向上にも効果があるでしょう。

パフォーマンスマネジメントの企業サンプルとその工夫

ここからは、実際にパフォーマンスマネジメントを導入している企業のサンプルとその工夫について紹介します。

実際にパフォーマンスマネジメントを導入している企業のサンプルを見た上で、自社の導入の際に参考にしてみましょう。

パフォーマンスマネジメントの企業サンプル①|スターバックスジャパン

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同社では、パートも含む全従業員に対して四ヶ月に1回面談を実施しています。

そこでは、専用シートが準備されており従業員が目標や成長記録を記入します。
そして、「この仕事を通じて達成したい人生の目標」を記入し、それを元にフィードバックと次回の目標を設定します。

定期的な面談は、人事と従業員の目標のすり合わせだけではありません。
ここの従業員の会社で働く価値観を高めて、やりたい目標を明確にするという狙いがあります。

スターバックスで行っている工夫は、専用シートの利用により「仕事を通じて達成したい人生の目標」を従業員自身に書かせるところにあります。

専用シートを使っていると、目標設定や振り返るときに何を書いたらいいのか迷わずにすみます。
「仕事を通じて達成したい人生の目標」を従業員自身に書かせることで、この仕事があなたの人生の目標と繋がっていると思え、主体的に仕事ができるでしょう。

パフォーマンスマネジメントの企業サンプル②|博報堂DYデジタル

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同社は、半年〜1年で初期の目標を振り返る目標管理型の評価制度を廃止しました。

一年前に設定したミッションすら、変化の激しい現代では遅すぎるのです。
だからあえて査定で順位付けせず、個々の成長にフォーカスした評価基準に変更しました。

また、評価する側の負担も考え全マネジャーに対して研修を実施し、マネジャー自身のスキルアップもはかりました。

博報堂DYデジタルの工夫は、正にここです。
会社が主導する研修制度と評価者のスキルアップが重要になります。
パフォーマンスマネジメントを導入する際に、忘れがちなのが評価者のスキルアップです。
これは個人に任せていて出来るものではありません。
こここそ、会社が主導しなければならない工夫でしょう。

パフォーマンスマネジメントの企業サンプル③|アドビ株式会社

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同社では、2012年に「チェックイン」という新しい人事評価制度を導入しました。これまでの年1回の年次評価をやめ、上司と部下の面談を3ヶ月に1度行っています。

チェックインの特徴は継続的な対話とマネージャーが部下の昇給を決定する予算が与えられるという点です。
チェックインを導入した効果は、「マネージャーの工数削減」と「従業員の満足度10%アップ」でした。

チェックインは指定のフォームを使用せずにフリーフォーマットで、マネージャーの記入しやすい方法で書くことができます。
この方法で推定8万時間の管理時間を削減できました。

さらに短期的なサイクルで面談をしているので、従業員の仕事に対する満足度が10%向上し、離職率を下げることに成功したのです。

アドビの行った工夫は、正にここです。
フリーフォーマットの登用と、短期間の面談サイクルへの変更だと言えます。

会社が大きくなればなるほど、人事評価には時間がかかるものです。
そこをクリアしたのがフリーフォーマットです。
マネージャーの書きやすいものに変えることによって余分な手間をごっそり省けました。

パフォーマンスマネジメント企業サンプル④|ゼネラル・エレクトリック(GE)

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同社は2016年にコーチングを重視した「PD(パフォーマンス・デベロップメント)」に移行しました。

年1回の目標管理では十分な人材育成ができないという反省から、社内の変化スピードをあげるための変更だったそうです。

年間を通じて上司と部下が対話でき、頻繁にフィードバックを行いながら今後のキャリアアップについて一緒に考えます。
評価軸にも人材育成の視点が持ち込まれました。
これにより、自発的に組織を超えたプロジェクトを組むといった、創発的な人材を育成することが可能になりました。

GEの工夫は正にここでしょう。
これまで別々に行われてきた評価と人材育成を一緒に行える評価制度を導入したことにあります。

パフォーマンスマネジメント導入時の注意点とは?

最後に、パフォーマンスマネジメントを導入するにあたっての注意点をご紹介していきます。

パフォーマンスマネジメント導入時の注意点①|評価者の意識改革

パフォーマンスマネジメントでは、評価者がどのように従業員にフィードバックしていくかを気をつけなくてはいけません。

問題点や改善方法の伝え方一つで、社員の意識やモチベーションは激変します。
また、成果につながるようなフィードバックができなければ、従業員との信頼関係が破綻してしまう可能性もあります。そうなってからでは手遅れです。

人材育成のノウハウを多く持っている人事部を中心にする
社員のモチベーションアップが出来る
成果に繋げる助言が出来る

このようなフィードバックが出来る管理職になるよう意識改革していくことが大切です。

パフォーマンスマネジメント導入時の注意点②|管理職のコミュニケーション能力の向上

現在、管理職になっている世代は、コミュニケーションが得意な世代とはいえないでしょう。
中には例外もいると思いますが、ほとんどの人は喋るより仕事しろと言われて鍛えられた世代なのではないでしょうか。

ですが、現代はコミュニケーションの時代です。
管理職と従業員、経営層と従業員、顧客と従業員など、どのような関係でもコミュニケーションは必須です。

特にパフォーマンスマネジメントでは、定期的に面談で上司と部下がコミュニケーションを取るようになります。

コーチング研修などで管理職のコミュニケーション能力をあげることは、パフォーマンスマネジメントの最重要項目と言えそうです。

パフォーマンスマネジメント導入時の注意点③|会社全体で取り組む

パフォーマンスマネジメントで決める従業員の目標は、会社の経営目標に繋がります。

つまり会社の目標を、細かく分けていくと個人の目標になるのです。

従業員が主体的に、企業の経営ビジョンや経営目標に沿った目標や、挑戦的な目標に取り組めるような環境整備が必要です。
それが会社全体で整えることができれば、成果に繋がりやすくなります。

パフォーマンスマネジメントを単なる人材術で終わらせずに、成果に結びつけられるように会社をあげて取り組むことが大切です。

まとめ

いかがでしたか。

パフォーマンスマネジメントは、従業員の評価・マネジメントをする制度の一つです。

基本的には短期間での面談を繰り返しならが、従業員のモチベーションをあげて、さらには会社としても成果を出すことができます。

ただ導入すれば上手くいくものでもありません。
事前の準備が必要です。会社全体で意識を改革していく必要もあります。

変化の早い現代で、今までの評価方法ではいずれ追いつかなくなっていくでしょう。
速いサイクルでフィードバックを行うことができる、新しい人事評価制度の導入を検討するべきだと言えます。

会社によってどの方法が適当か変わってきます。
パフォーマンスマネジメントの導入を検討している方は、参考にしてみてください。

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