現在、人事評価の面談とは別に上司と部下の1on1ミーティングを実施する企業が増えてきています。
しかしいざミーティングを設定したものの、1on1で話すことに迷ってしまう方や悩んでしまう方が多いのも現状です。
そこで本記事では、部下との1on1ミーティングで話すことを、1on1ミーティングのテーマごとにまとめました。
また、1on1ミーティングで意識すべきポイント、部下が話しやすい1on1ミーティングに必要な3つの要素も解説します。
そもそも1on1ミーティングとは何か
1on1ミーティングは、上司と部下が1on1で仕事だけでなく、プライベートまで踏み込んだ近況報告やキャリアを積んでいく上での話し合いをするミーティングです。
一般的に、1on1ミーティングは人事評価の一種と思われがちです。
しかし1on1ミーティングに関してはどちらかといえば、上司が部下の悩みや不安をヒアリングして、解決の糸口を一緒に見つけていく側面が強いといえます。
1on1ミーティングでは、仕事上の悩みや不安だけでなく、プライベートにおける悩みなども広くヒアリングしていくことが理想的です。
仕事上の問題を話し合う時は、現在の悩みや将来に対しての悩み、仕事の待遇面での評価などをヒアリングします。
このように、仕事にまつわる悩みを広く上司と部下が話すことで、部下の仕事に対するモチベーションをアップさせる狙いがあります。
また、プライベートにまつわる悩みや不安をヒアリングし話すことで、仕事の生産性に悪影響を及ぼすような、習慣や行動を改善できる可能性が高いです。
加えて、日常生活の中で感じている問題を取り除くことで、仕事に対しての集中力をアップさせることも期待できます。
1on1で話すべきテーマとテーマ別の具体例とは?
1on1ミーティングは従業員の生産性向上や職場の雰囲気改善に繋がります。
しかし、1on1ミーティングで具体的に一体何を話すことが一般的なのでしょうか?
この章では、1on1で話すことの例として、4つのテーマについて取り上げます。
1on1ミーティングで話すことの、具体的な内容について悩んでいる上司の方は、参考にしてみてください。
1on1で話すことの例①|仕事に対するモチベーションについて
仕事に対するモチベーションアップを狙った1on1ミーティングでは、部下の良さを強調し、心配や不安に寄り添った内容を話すことが重要です。
具体的には、以下のような内容を1on1ミーティングで話すのがいいでしょう。
・部下に対する社内の評価を伝える(良い面)
・日頃の仕事に対する姿勢を褒める
・仕事上の不安や心配を一緒に考えることを提案する
仕事のモチベーションアップを狙った1on1ミーティングでは、部下の良い面を褒める内容や仕事上の不安や懸念点などを話すことがおすすめです。
上司が部下に親身になってヒアリングしていくことで、部下の不安や悩みが解消し、仕事に対するモチベーションがアップしやすい環境作りが目指せます。
1on1で話すことの例②|日常生活や健康問題について
日常生活や健康問題など、プライベートに関するテーマで1on1ミーティングを行う場合は、以下のような内容を話すことがおすすめです。
・自分の家族に関する問題や将来の不安
・趣味のスポーツやよくやることについて
・最近、健康上の問題はないかどうか
部下がすでに結婚していて、子供や夫婦生活について共有できる点があれば、それを1on1ミーティングで話して共有するのが定番です。
また趣味や最近ハマっていることなどを聞いて、上司が部下の個人的な生活に関して親身に聞く姿勢を見せることで、関係性が向上する可能性もあるでしょう。
健康問題は、部下の仕事のパフォーマンスや企業で勤務していけるかどうかを決める重要なポイントです。
1on1で話すことの例③|日頃の業務改善やチーム課題について
日頃の業務を個人やチームレベルで改善すべき点を共有する場合の1on1ミーティングでは、以下のような点を話すことが一般的です。
・仕事に対するパフォーマンスについての現状
・チーム全体のパフォーマンスの特徴と今後の問題
・仕事に対する不安や要望について
日頃の仕事に対する課題や問題点を、1on1ミーティングの機会を通して話すことに加え、個人やチームとしての仕事に対する要望もヒアリングします。
このように、仕事に対する問題提起と将来における展望について話すことで、より企業の生産性や効率性に役立つ1on1ミーティングになるでしょう。
1on1で話すことの例④|部下の人材として能力育成について
部下の人材としての能力育成について話す1on1ミーティングでは、以下のような点を話すことが一般的です。
・部下の強みや弱みについて総合的に話す
・部下が積極的にチャレンジしたいと考える仕事
・部下が希望する今後のキャリアについて
部下が何よりも不安を感じているのが、「自分が企業の中でうまくやれているか?」という点だといえます。
1on1ミーティングで部下の人材としての特徴や今後の展望について話すことで、部下はキャリアに関する不安を和らげることができますね。
また、挑戦したい仕事や具体的なキャリアの希望をヒアリングしておくことで、上司であるあなたは、部下の将来のキャリアを見据えた人事異動や仕事の振り分けが可能になります。
1on1ミーティングで部下が積極的に話しやすくなる3つの要素
1on1ミーティングで大切なのが、部下の積極的なミーティングへの参加です。
部下が意欲的に1on1で話すことで、上司であるあなたは問題や要望を知ることで、現状改善に向かって動けるでしょう。
この章では、1on1ミーティングで部下が積極的に話しやすくなる、3つの要素について解説します。
1on1で話しやすくなるポイント①|上司自らが親しみのある話題を振る
1on1ミーティングで部下が話すことに積極的になる要素として、上司自らが部下に寄り添った、親しみのあるテーマを振ることが挙げられます。
もちろん、1on1ミーティングの本来の目的を逸脱したテーマを話すことは不要ですが、部下が話しやすいテーマを織り交ぜて話すことが大切です。
たとえば、部下のキャリアについての1on1ミーティングの場合を考えてみましょう。
頭ごなしに「こうあるべき」と言われるよりも、上司であるあなたが過去にキャリアについて悩んでいた時の身の上話をすれば、部下が親近感を持って話してくれるはずです。
このように、上司が親しみのあるテーマを振ることが、部下が1on1で積極的に話しやすくなるための要素だといえます。
1on1で話しやすくなるポイント②|上司は部下から積極的に意見を聞くようにする
1on1ミーティングで部下が話しやすい環境とは、部下の発言をしっかりヒアリングする環境を整えられている状況です。
あくまでも「部下に話させる」ことを目的に聞き役に回って、部下が話しやすい雰囲気作りに努めていきましょう。
そうすることで、自然と部下から話をすることも増え、話をふらなくても意見が出てくるようになるでしょうj。
1on1で話しやすくなるポイント③|話しやすいミーティングの雰囲気を確保する
1on1ミーティングで部下が話しやすい環境は、上司が部下の話すことをきちんとヒアリングすることです。
また、「上司であるあなたなら相談しやすい」というようなチーム作りを日頃から心掛けておくことが必須です。
チーム内でのコミュニケーションがうまくいっていない状況下で、いきなり1on1ミーティングの場で、部下が自分の考えを話し出すとは考えにくいです。
日頃からチーム内における上司と部下との関係性を円滑にして、1on1ミーティングで話しやすい雰囲気をチームで協力しながら作り上げていきましょう。
1on1ミーティングで意識すべき3つのポイント
1on1ミーティングを行う上では、最後にこれからご紹介する3つのポイントを意識しておきましょう。
1on1ミーティングをうまく成功させるためにも、それぞれのポイントをおさえておくことが重要です。
1on1で意識すべきポイント①|ミーティングの目的を明確にしておく
1on1ミーティングを成功させるためには、1on1ミーティングをどのような目的で行い、重点的に話すべきことは何なのかを明確にしましょう。
1on1ミーティングには、部下のキャリアを考えたり、プライベートの問題を共有したりと、様々な目的があります。
日頃の仕事の改善点を共有したいのに、関係のない部下の日常生活について聞いても意味がありません。
このように、1on1ミーティングの目的を最初に明確にすることで、1on1で話すことが決まり、より有意義な1on1ミーティングが行えるのです。
1on1で意識すべきポイント②|部下に問題解決のヒントを与える
1on1ミーティングでは、単純に問題に対する答えを話すことだけでは、部下の成長には繋がりにくいです。
部下に問題を認識させて、自律的に解決させていくためには、あくまでも1on1ミーティングで問題を解決に導くようなヒントを共有しましょう。
ヒントを与えることで、部下に自ら解決案を見つけさせることが重要です。
1on1で意識すべきポイント③|会社のチームとしての意識を共有する
1on1ミーティングを行う目的は、会社に貢献できる人材育成に集約できます。
1on1ミーティングで上司と部下が腹を割って話すことで、部下のチームへの貢献を促し、「会社というチームの一員」だと認識させられるでしょう。
まとめ
この記事では、1on1ミーティングとは何かを解説。また、テーマごとに話すことの内容や注意点・意識すべきポイントについて紹介しました。
1on1ミーティングは、部下の仕事やプライベートにおける心配や不安を取り除くことにあります。
その結果としての、個人やチーム、ひいては企業全体としての生産性アップが最終的な狙いです。
1on1ミーティングで上司と部下との間の関係性が改善することで、職場の雰囲気が良くなり、従業員の仕事に対するモチベーションも向上します。
1on1ミーティングであらゆるテーマについて話すことで、部下の問題点や将来に対する不安を取り除いて、企業としての生産性アップを目指しましょう。
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